ジャンプ+で連載してる『正反対な君と僕』。
2月5日に更新された第49話が平と東がメインの回でしたね。
この回では、二人の仲で進展しそうな気配が描かれて、ファンには堪らない話でした。
平、良いですよね。
ジャンプ+のコメント欄を見ても、心なしか1番人気のキャラな気がする。
実際に人気投票を開催したら、主人公の鈴木と谷がワンツーフィニッシュ決めそうですが、何と言うのでしょう、読者全員に好きなキャラベスト3聞いたら絶対に入ってそうなキャラが平な気がする。
平、正反対な君と僕に出てくるキャラの中でも「陰」の側面が濃くて良いのですよね。
小学生、中学生の時がコンプレックスで変わりたくて、高校デビューして。
高校に入って良い友人に恵まれて、それなりに充実した高校生活を送ってるものの、浮かれるというより、ずっと自分を律して客観視して、己と向き合ってる。
もっと気楽にシンプルに考えれば良いのに。実際谷以外の全員はネガティブになる事はあっても、その捉え方はシンプルで、問題は長引かない印象です。
しかし、谷は違う。
ずっと自分以上にはなれない自分と向き合って、少しの前進と後退を繰り返してる。
他のどのキャラよりも面倒ですし、頭空っぽにして楽しめるこの作品の中では異質な存在です。
しかし、そういう部分が他のどのキャラよりも惹かれる。
この理由って「自分を投影してしまうから」なのだろうと思います。
偏見もありますが、谷みたいなタイプが1番『正反対な君と僕』のような漫画を好きじゃないでしょうか。
ラブコメなんだけど、ラブコメとして、この作品のご都合主義な部分がどういったところか見極めて読んでるようなところがある。
この作品のノリが好きだし、恋のライバルが出てきてストレス溜まるパートがないのも良いし、良い意味で軽い気持ちで読めるのが好きです。
しかし、一方で「光」過ぎる青春を見てると、げんなりする自分もいて、その中で「谷」の存在は違った角度からこの物語を読ませてくれます。
青春時代が輝いていたと表立って言える人なんて少ないだろうし、どっちかっていうとそういうものに憧れていたからこそ、こういう漫画が刺さる。
ある意味「谷」を通して、この作品を見てるんですよね。
漫画の登場人物だけど、自分を投影できる存在が成長したり救われると嬉しくて。
谷のネガティブパートはどのキャラよりも浮いてて、ある意味この作品らしくない描写です。
しかし、そういった自分と向き合う描写が何より好き。
谷を通して、自分も過去にこうだったとか、ああだったのかもしれないと人生の解像度が上がるというか。
谷を応援したくなるのは、そういう部分があるからだろうなぁと思いました。
三歩進んで二歩下がるみたいな。ちょっとずつですが、良い方向に変わっていってるのが分かるんです。
谷というキャラのそれまでの人生を軽んじないスタンスが良い。
そう簡単に変わらないし、変われない。
だけど「変わりたい」と思ってるのも確かで、そういうキッカケに憧れてる。
「推し」というと、ちょっと違うけど、大好きなキャラである谷。
これからも彼の卑屈で前向きな青春ライフを見ていきたい。
PS.正反対な君と僕の谷が好きな人は、作者の前作『氷の城壁』も絶対好きだよ!自分もまだ全部読めてないけど、他人を見て自分を見て、一体何が大事で何が問題なのか深掘りしていくのが凄〜く良い。オススメ!